ArnoldのAi Standard SurfaceのSpecular(鏡面反射)の項目に関してまとめてみました。今回は初級編ということでパラメーターの紹介をしていこうと思います。
Ai Standard SurfaceのSpecularの項目
6項目ありますが極端な話
Roughness以外一旦放置して大丈夫です。
もちろん作成する質感によって調整することはありますが、必要になったら調整する
という考え方がいいと思います。
なんとなくでいじると物理法則から簡単に外れてしまうので根拠をもって調整しましょう。
それでは上から見ていきましょう。
Weight
鏡面反射の強度の調整をできます。
これは基本的に1のままにします。
物質の表面が光を反射するとき、その強度は場所によって変わらず一定であり、鏡面反射のハイライトの強弱はWeightではなく、Roughnessによる表面の細かい凸凹で再現されるべきです。
物理的に正しくない形状の補完(モデリングの省略をした場合)使うこともあります。
例えば人間キャラの鼻や喉の奥がふさがってるのが鏡面反射でばれてしまうのを防ぐために奥の部分はマップを書いて0にすることもあります。
Color
これは特殊な物質を表現するとき以外は白です。
鏡面反射に色がつくものは金属、一部の構造色をもつとされる物質、サテン、ベルベットのような布地等です。
多くのものはライトの光の色をそのままに返しますので白が物理的に正しいです。
Roughnes
物質の表面のザラザラ、ツルツル感を表現します。
これはBumpよりも更に細かい凸凹になります。
数値を上げるほど表面がザラザラになり、鏡面反射が拡散され、弱くなるように見えます。
上記のWeightの項目で書いた通り、鏡面反射の見た目的な強弱はこのパラメーターで調整するべきです。
Roughnessは物質ごとの決まった値は無く、表面処理を再現するものです。
PBR環境においてアーティストが唯一自由に扱える項目と言えるかもしれません。
腕の見せ所です!
IOR
Index of Refractionの略です。日本語で屈折率と呼ばれます。
物質の測定値がだいたいのもので出ているので、再現したい物質の測定値を調べて入れてあげるとよりリアルになります。
しかし、その情報が間違えている場合変な見ためになってしまうこともあるので慎重になるべきです。
プラスチック、塗装、陶器、ゴム等の絶縁体の際は数値で悩むくらいであれば既定値の1.5のままにしてしまうのが無難でしょう。
このIORはTransmision(屈折)にも影響を与えます。
透過物を作成の際は数値でかなり見ためが変わるので、これも気を付けて数値を設定する必要があります。
Anistoropy
異方性反射を再現するのに使います。金属のブラシ表現、サテン等の布の表現などで使ったりします。
こんな金属の平面を
こんな感じの金属の鍋の底面みたいにすることができます。
詳しい使い方は他の記事で紹介します。
詳しい使い方は他の記事で紹介します。
Rotation
異方性反射の方向を制御します。
異方性反射はUVベースで方向がきまり、それを回転させることができます。
なので、同じ方向に延びてほしいもののUVは同じ方向にそろえる必要があります。
ちなみに上の例の画像はこのRotationにRampテクスチャが入っています。
まとめ
これにて初級編は終了です。
Specularはどんなアセットでも調整が必要なパラメーターの一つだと思います。
しっかりコントロールして、良いSpecularの出るアセットが制作できるといいですね。
中級編に続きます!